雨樋修理の手順
住宅の環境や屋根の形、予算などによって、雨樋を修理する方法は違う場合がありますが、ここでは、標準的な雨樋を修理する方法についてご紹介しましょう。
古い雨樋を全て取り外す
古い支持金具や集水器などの雨樋を全て取り外します。雨樋が2階以上にある場合は、足場を組んで取り外します。また、支持金具の場合は、傷が軒先部分の横面である鼻隠や外壁につかないように丁寧に取り外します。
支持金具を軒樋の勾配を考えて取り付ける
支持金具を取り付ける場合は、2つの方法があります。1つ目の方法は、集水器が繋がった逆方向から3cm~5cm程度10mに付いて下がるように、集水器に向かって水平線を示すために使用する水糸を張ってから、印を付けるものです。集水器が両側にある場合は、軒先の中央部から3cm~5cm程度10mに付いて下がるように左右に水糸を張ってから印を付けます。
2つ目の方法は、勾配を決める場合に、支持金具を従来取り付けしていた穴を参考にする方法です。具体的な方法としては、従来の支持金具の穴から同じ高さで、2cm程度いずれかの支持金具を左右に移動して取り付けます。このようにすれば、有効な勾配が必然的につきます。しかし、支持金具の形が従来と違う場合は、高さを軒樋と瓦の落差も考慮して決める必要があります。
防水コーキング剤で支持金具の穴を塞ぐ
支持金具の穴を塞がないと、雨漏りがこの穴の要因によって発生する場合もあります。そのため、コーキングで十分に穴の全てを塞ぎます。
全体の軒樋の長さを考えて切断する
軒樋があまり短くなれば強度が不足するため、全体の軒樋の長さを考えて切断します。集水器の収まりを考えて、全体の軒樋の長さを決定することが大切です。
止まり・継手を軒樋に取り付ける
止まりというのは、雨水をせき止めるもので、軒樋の端にある部材です。雨樋専用の接着剤を、軒樋と止まり、継手を接着する箇所に塗ります。
集水器を取り付ける
集水器というのは、漏斗のような部材で縦樋に軒樋からの雨水を集めて流すものです。両側から軒樋を集水器に挿入して取り付けます。そのまま古い軒樋を使う場合は、集水器と軒樋を直線収縮性コーキングで繋ぎます。可能な限り支持金具を集水器側に取り付けて、全体の軒樋を強くします。
縦樋を取り付けた後に集水器と繋ぐ
縦樋の垂直箇所を固定するために、支持金具を取り付けます。円柱の曲がった雨樋のエルボや縦樋を切断した呼樋で、縦樋と集水器を繋ぎます。無理な力が全体的に加わっていないか調べます。この際、パイプ同士を無理に繋ぐと後から外れるため注意する必要があります。問題なく繋げられたことを確認した後、呼樋やエルボを一旦取り外して、雨樋専用の接着剤をそれぞれの接着面に十分に塗って、また繋ぎます。
排水する経路を確認する
雨水が縦樋から出て、しっかりと雨水枡まで流れることを確認します。排水溝が地面の中にある場合は、縦樋を排水溝の入口に繋ぎます。雨水は下水にならないため、道路側溝へそのまま排水する場合もあります。