屋根の劣化要因
屋根を劣化させる要因には、紫外線、酸性雨、そして寒暖の温度差や暴風雨などの物理的なものがあります。
紫外線や酸性雨による塗装面の劣化
仕上げ塗装されている瓦では、太陽光に含まれている紫外線と排気ガスなどが溶け込んだ雨によって瓦表面の塗装が劣化してしまいます。劣化した塗装表面は雨が流れにくくなり、藻・苔・カビなどが発生しやすくなるのです。そして、一旦それらが発生してしまうと、瓦の劣化を早めてしまいます。新築10年前後で瓦の割れや雨漏りなどがない場合は、再塗装のメンテナンスが一般的です。
膨張・収縮による瓦の亀裂
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寒暖の温度差で瓦が膨張・収縮を繰り返すことでもろくなり、ひび割れてしまうことがあります。この小さなひび割れがやがて大きくなり、雨漏りとなってしまうのです。また、小さなひび割れに侵入した雨水が凍結でひび割れを大きくしてしまうこともあります。
熱によるルーフィングの劣化
瓦の下にはルーフィング(防水シート)が敷かれており、瓦の隙間から入った雨水が雨漏りにならないよう防いでくれています。しかし、真夏の高温にさらされる瓦の下部には熱がこもり、ルーフィングも高音となります。これが長年続くと、劣化が進み柔軟性を欠き硬化してしまうのです。硬化したルーフィングは瓦の動きや振動に追従しにくくなり、ひび割れてします。また、ルーフィングを貫通している瓦留めの釘やビス、そしてルーフィングを留めているタッカーの針周囲に隙間ができて雨漏りの原因となります。一般的なアスファルト系ルーフィングの耐用年数は15-20年です。
瓦のズレ、漆喰の剥がれ
台風や地震などの揺れで、瓦がずれたり棟や隅棟部分の瓦の隙間を埋めている漆喰が剥離してしまうことがあります。
板金のサビ
屋根の谷部分には枯れ葉やゴミが溜まりやすく、谷部分の板金をサビやすくすると共に、溜まったゴミで雨水が溢れ出して瓦の下側に入り込んでしまいます。このような状態では、常に雨水が侵入しやすい状態となり、ルーフィングへの負荷がかかりすぎるだけでなく、苔やカビを発生させる要因ともなり、やがては雨漏りとなってしまいます。