屋根瓦の素材種類と特徴
瓦には、色々なの分類方法がありますが、ここでは素材別による種類と耐久性などについて紹介します。
粘土系瓦
粘土を成形して高温で焼いたもので、釉薬(ゆうやく)を使ったもの、いぶしたもの、そして素焼きのものがあります。いずれも紫外線や酸性雨による劣化が少ないため、塗替えの必要がありません。断熱、遮音、耐熱に優れていますが、他の瓦に比べて重量があるため十分に耐震性を考慮した設計とする必要があります。
セメント系瓦
薄型化粧スレート瓦
一般的にはコロニアルとして知られていますが、正式名称は薄型化粧スレート瓦といいます。コロニアルは建材メーカーの商品名で、非常に普及率が高くなったため、一般名称として扱われるようになりました。本来のスレートとは自然石の粘板岩を層にそって薄く板状に加工したものですが、ここでいう薄型化粧スレートとは、セメントと樹脂繊維を混ぜて作られたもので、スレート状に薄く(5mmほど)作られたものを言います。軽量であることやカラフルな塗装が特徴です。
耐用年数は20〜25年ですが、価格が比較的安くコストパフォーマンスの高い屋根材です。軽量で複雑な屋根にも対応しやすい良さを持っている反面、割れやすく10年前後で再塗装の必要があるなどの一面もあります。
2006年以前のコロニアル類の瓦にはアスベスト繊維を使用している恐れがあり、その場合の葺き替え工事ではアスベストの処分費用が別途必要になります。
セメント瓦
コロニアル同様にセメントと樹脂繊維を混ぜて作られていますが、厚みが数センチあり瓦の重ね部分には接合と雨仕舞の加工があります。過去には、和瓦や洋瓦の形をセメントで成形して塗装したものもありましたが、現在ではほとんど生産されていません。原因は、再塗装や重量などの問題からコストパフォーマンスが悪いこと、そして他に優れた屋根瓦が出てきたことなどがあります。既存の瓦がセメント瓦の場合、葺き替えを行う際には薄型のコロニアルや金属瓦に変更することを勧めます。
金属屋根(瓦)
近年ガルバリウム鋼板が普及してきて以来、増えてきた屋根材です。ガルバリウム鋼板とは、鋼板にアルミニウム、亜鉛、シリコンから成るアルミ亜鉛合金メッキをしたもので錆びにくい特徴があります。屋根材としては、さらなる耐久性の向上と意匠的な目的で塗装されており、軽量で安価なことからも普及してきています。サビに強く耐用年数は20〜30年とされています。
ガルバリウム鋼板と同様のものに、ジンカリウム鋼板というものがあります。メッキ成分はほとんど変わりませんが、表面を自然石の砂粒を高温でガラス質に変化させてコーティングしたものです。自然の砂粒を焼き付けたジンカリウム鋼板では、塗装メンテナンスが不要で耐用年数も30〜50年となっています。