屋根の改修方法
屋根の改修方法としては以下の3種類になりますが、どのような屋根の改修方法が適切なのかは、劣化状況を確認してからの判断になります。
葺き替え
既存の瓦を撤去・処分し、元の瓦と同じあるいは同類(形状あるいは重量)のものに入れ替える場合です。この場合でもルーフィングの張り替えを行うのが一般的で、棟瓦や板金なども新しいものに替えます。野地板や垂木は、そのまま利用する場合もありますし、劣化が激しい時は修復後に、葺き替えます。
葺き替えは標準的な改修方法です。
重ね葺き(カバー工法)
既存の瓦の上に新しいルーフィングを敷いて新しく瓦を載せる方法です。つまり、ルーフィングと瓦が二重になるのです。この改修方法が可能なのは、既存の屋根がコロニアルのように瓦形状がフラットな場合で、和瓦ような波型のもでは採用できません。また、新しく葺く屋根瓦は重量増を軽減するために、コロニアルや金属瓦のように軽量なものに限られます。
なお、コロニアルそのものや野地板の劣化が激しいものでは、新しいルーフィングや瓦を取り付けることができません。その場合は、既存瓦の撤去や野地板などの修復が必要なため、先の葺き替え工事になります。
コロニアルやルーフィングの耐用年数が近づいている、あるいは雨漏りはあるものの下地の腐食などの劣化には至っていない場合で、再塗装だけではその後の10年を維持できそうにない場合に選ぶ改修方法です。既存瓦の撤去・処分を伴わないため、比較的ローコストで工期も短くなります。
葺き直し
一旦、既存の瓦を撤去してルーフィングの張り替えを行った上で、ふたたび既存の瓦を再利用する方法です。もちろん、ひび割れなどのある瓦は新しいものに換えますが、基本的には瓦を再利用するため省資源な方法です。
この方法を採用できるのは、和瓦のような粘土系の瓦の場合で、コロニアルや金属系の瓦では再利用することはできません。瓦の再利用で瓦のコストは下がりますが、丁寧に瓦を撤去・保存するコストが余分にかかるため、コストパフォーマンスがいいとは言えません。